常務執行役員 ソリューションサービス事業本部 本部長 上野山 英樹

2016年4月入社

上野山 英樹

社会人になってからの経歴を教えてください。

90年代からIT業界の先駆けとなる技術やサービス、新規事業の立ち上げに挑戦し続けてきた

私の社会人生活がスタートしたのは1988年。
1988年と言えば、オープン化を契機に大手システムインテグレータ(SI企業)が続々と設立された、日本のIT業界の起点となる年でした。入社後の数年間は、研究開発部門に所属していましたが、インターネットが普及し始めた1995年以降は、インターネットサービスの企画・開発に明け暮れる日々を送っていました。
15年ほど技術者として、ソフト・ハード両面に携わる仕事をしていたのですが、やりたいことが次第に会社の枠組みから溢れ出し、気付けば、自分で新規事業や新会社設立の企画書を書くようになっていました。その後、在籍していた企業のグループ会社の代表として、数社の経営に関わりながら、それらの会社を一つに統合するという難行を推し進め、ひと段落したところで、鈴与シンワートに入社することになりました。
鈴与シンワートは、入社前から共に新規事業や新会社の立ち上げに挑戦してきたビジネスパートナーであり、戦友のような存在でした。今はDX領域の最前線に立つ鈴与シンワートで、長年培ってきた知恵とノウハウを振るっています。

技術者時代に大事にしてきた考えや心構えを教えてください。

技術はあくまでも手段であり、いちばん重要なのは「真因」を探すこと

「エンジニアとして」というよりは『お客様のパートナー』として、まずは、お客様の課題を理解するところから始めました。お客様の様々な課題を構造化して、その中から真因を特定し、打ち手を考えるということが重要ですが、その答を待つのではなく、お客様と一緒に考え、共に解決していくというスタンスは、昔から変わりません。ある程度、ゴールと言える正解が見えてきたとき、どんな技術が必要なのか、自分にとって足りないスキルは何か、というエンジニアとしての壁に直面しますが、それは習得すれば解決できることです。世の中の技術がどれだけ進歩しようとも、プロジェクトが始まる以前からお客様に向き合うことが、技術者としての第一歩だと思います。

鈴与シンワート入社後に携わった仕事やプロジェクトで印象的なものを教えてください。

DX事業を取り巻く「人材育成」と「事業拡大」の課題に立ち向かう

DX事業について社を代表する立場としては、さまざまな方面で課題を感じています。
そのひとつは、人材育成です。技術者としての心構えについては先述致しましたが、DX領域は幅広く、何を習得すれば課題解決の近道になるのかもなかなか分からないため、お客様に寄り添うことから始める以外、方法はありません。ですから、まずはプロジェクトに入ってもらうということを基本方針としています。
鈴与シンワートは大企業へのDXサービス導入も数多く展開していますが、中には「自信がない」、「経験がない」としり込みしてしまうエンジニアもいます。そこにあえて飛び込む機会を提供することで、大きな成長と刺激を感じてほしいと思っています。
一方で、日本政府が掲げている高齢化問題や環境・エネルギー問題などを解決するためには、大企業のDX化だけでは十分ではなく、日本企業の99%を占める中小企業や社会全体を視野に入れた地域社会のDX化についても注目する必要があります。
最近では、DX化に対してなかなか腰が上がらない中小企業向けにセミナーを開催するなど、改めてDX化の必要性やその価値を、社会全体に向けて訴求する取り組みも行っています。

現在のIT業界をどのように捉えているか、率直な感想をお願いします。

IT業界は進歩し続けているが、ものをつくる「生産技術」は遅れている
30年以上前からIT業界を見てきた私としては、他の産業と比較した際、IT業界は「生産技術」、言い換えれば「ものをつくる技術」で非常に遅れていることを憂いています。
製造業ではロボット導入によるものづくりの自動化が進む一方で、IT業界ではいつまで経っても人の手でソフトウェアを製造しています。「自動化」をキーワードにツールの利活用やシステム導入による業務効率化は進んでも、結局、人の手でコードを書くことに変わりはありません。
ただ、ここ最近登場した「ChatGPT」によって、「レガシー言語(COBOL)」から「Java」への移行など、これまで人の手でしか解決できなかった難題にも可能性が見え始めています。長年の憂いを吹き飛ばしてくれそうなAI領域に期待しています。

鈴与シンワートをどのような会社にしていきたいか教えてください。

鈴与シンワートが主役となれる舞台を増やし、お客様のトップパートナーを目指すこと
鈴与シンワートは、一人ひとりがものづくりをしてきた歴史の長いエンジニア集団です。
今後はより一層、我々が主体となり、お客様と一緒に課題解決、あるいはものづくりをしていきたいと考えています。先述した地域の中小企業などに寄り添うことは、大手SI企業には対応しきれない部分だと思います。
鈴与シンワートであれば、長年培ってきた技術力を活かしながら、企業規模問わず1対1でお客様と向き合えると自負しています。「エンジニアとして」というよりは『お客様のパートナー』として。私の技術者時代からのポリシーは、今もなお健在です。

どのような人材を採用したいか教えてください。

今ある知識・経験よりも、今を超えたいというチャレンジ精神があるかどうか

自分の経験がない分野に対して「できない」「やりたくない」と物怖じしてしまう人が多いように感じます。
私が若手によく伝えているのは、「できたら成功・できなくても成長」ということです。
「できない」からこそ成長要素が潜んでいることは、身をもって経験してきました。若手にもチャレンジすることの大切さを知ってほしいですし、私もチャレンジ精神旺盛な方と一緒に仕事がしたいと思っています。
私が昔、新しい事業や新しい会社の立ち上げを計画した時も、最初は社内でなかなか理解されませんでした。「そんなことは無理だ」とか「やる意味がない」とか…、それでも諦めずに、社外のお客様に企画書を持ち込んだところ、「おもしろいからやってみよう!」とお客様の方から出資を申し出てくれたこともありました。
これは一例に過ぎませんが、できることだけをやっていても大きな成長はありません。あえて難題に飛び込みたいという人と、ぜひ一緒に仕事をしたいですね。

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